環境科学会誌
Online ISSN : 1884-5029
Print ISSN : 0915-0048
ISSN-L : 0915-0048
一般論文
再生磁器製造システムのMFCA-LCA統合評価
-瀬戸市の取り組みを例にして-
立花 潤三周 敦史蒲原 弘継後藤 尚弘
著者情報
キーワード: MFCA, LCA, 陶磁器, リサイクル
ジャーナル フリー

2014 年 27 巻 5 号 p. 277-288

詳細
抄録

陶磁器は少量多種のため使用後のリサイクルが進んでいない。陶磁器の産地では使用済み陶磁器を粉砕して,再生陶磁器の開発が実施されている。しかし,再生陶磁器の環境負荷低減効果,経済的効果は定量的に評価されていない。本研究では,再生陶磁器の環境・経済面の効果を明らかにするために,愛知県瀬戸市において開発された低温焼成再生陶磁器「Re 瀬ッ戸」のMFCA-LCA統合評価を行った。その結果,MFCAに関しては,資源ロスを表す負の製品コストが再生陶磁器製造では既存瀬戸焼と比較して粉砕・製土工程で20%,製造工程で1.0%低下した。また,環境影響については,粉砕・製土工程でLIME統合化指標が9.2%,製造工程で8.6%低下,全体では8.3%低下した。以上より,再生陶磁器の環境・経済面の有効性が明らかになった。

著者関連情報
© 2014 社団法人 環境科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top