環境科学会誌
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一般論文
各種低濃度PCB廃棄物の量とそれらのPCB量の推算
浦野 真弥浦野 紘平
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2015 年 28 巻 5 号 p. 359-368

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抄録
PCB廃棄物の全体像を俯瞰し,適切な処理計画の策定や処理に伴う安全性評価等を行うための基礎データを得ることを目的として,関連情報の収集と関係企業や専門家へのヒヤリング調査を行い,PCB濃度が5,000mg/kg以下の低濃度PCB廃棄物の2013年3月末時点での台数または重量,および平均PCB濃度とPCB量を推算した。低濃度PCB廃棄物は,全微量PCB汚染電気機器,そのうちの7t超の機器や50mg/kg以下の機器とその抜油後機器,OFケーブル,廃活性炭・廃プラスチック等・廃液に3分類した中間貯蔵・環境安全事業(株)(JESCO)からの二次廃棄物,ウエス・感圧複写紙・汚泥・その他汚染物に4分類した保管届出廃棄物,および大きな道路橋からの塗膜関連廃棄物に分けて推算した。低濃度PCB廃棄物に含まれるPCB量は総量で約41.4t,JESCOでの処理対象電気機器のPCB量の約0.20%相当と推算された。また,処理が進みつつある微量PCB汚染電気機器とJESCO二次廃棄物中のPCBは41.4tのうちの約17.7%と約8.9%,合計約26.6%であり,保管届出廃棄物に約34.6%,塗膜関連廃棄物に約38.7%含まれていると推算され,これらの処理を進める必要があることを明らかにした。
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© 2015 社団法人 環境科学会
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