本研究は,緑藻類,珪藻類および藍藻類を供試藻類とし,マイクロプレートを用いたAGP試験の基礎検討を行うとともに,AGP試験により河川水と下水処理水の水質評価を行った。その結果,マイクロプレートリーダーによる吸光度と藻類細胞濃度との間には高い相関が認められ,吸光度の測定によりマイクロプレートウェル内での藻類増殖量を測定できることが示唆された。また,藻類細胞濃度の経時変化から,緑藻類および珪藻類は培養開始より10~14日,藍藻類は14~18日経過した時点での藻類増殖量をAGPとすることが妥当であると考えられた。さらに,AGP試験によって桂川流域の水質評価を行ったところ,下水処理水のAGPは桂川本川のAGPと比べて高い値が示され,桂川の富栄養化に対して下水処理水流入が及ぼす影響は大きいと推察された。緑藻類,珪藻類および藍藻類を利用したAGPについて,3種類の藻類によるAGPは異なっており,緑藻類だけでなく珪藻類や藍藻類を利用したAGPも測定する必要があることが示唆された。