2026 年 39 巻 1 号 p. 43-63
天候によって発電量が変動する太陽光発電(PV)のような再生可能エネルギー電力を有効に活用するためには,余剰電力を定置用蓄電池(BT)や電気自動車(EV)に蓄電し,利用することが効果的である。本研究では,非住宅建築物を対象にPV, BT, EVの導入とこれらの連携の効果について電力需給調整の可能性および年間費用,二酸化炭素(CO2)排出量を評価した。評価対象施設は北九州市内に立地するオフィスビルの1事業所(電力需要量は実測値)と,建物モデルから設定した事務所,ビジネスホテル,小規模物販店舗,中学校の4事業所(電力需要量は推計値)とした。本研究では「PV, EV, BTを導入しないケース」,「PVのみ導入するケース」,「PVとBTを導入するケース」,「PVとEVを導入するケース(V2B未実施)」,「V2Bを実施するケース」の5つのケースを設定し,導入効果を評価した。本研究で設定したケースでは,EV(V2B)の運用スケジュールによって電力需給調整の効果が異なること,V2BがCO2排出の削減に対して最も効果が高いこと,V2Bの費用削減効果は系統電力とガソリンの費用削減につながるが初期費用を考慮するとその効果が小さいこと等を明らかにした。