抄録
食酢用ガラスビンのライフサイクルにわたる環境負荷のインベントリー解析を行い,それを基にして汎用性ガラスビンのLCI(ライフサイクルインベントリー)ソフトウェアを作製した。このソフトウェアには可変のパラメーターが導入されており,そのうちのビン重量,リユース回数,空きビン輸送距離を用いて仮想状況における食酢用のリターナブルビンとワンウェイビンの環境負荷を調べた。重量の重いリターナブルビン(340g)の使用は,少なくともリユースが2回(回収率50%)以上でなければ,重量が軽いワンウェイビン(190g)よりも環境負荷が増大するという結果となった。汚れや割れなどで回収ビンがすべて再使用可能とは限らないことを考慮すれば,リユースは3回(回収率67%)以上が望ましい。また消費量の少ない食品にリターナブルビンを使用して成功する可能性や,リサイクル性の良いガラスビンについても考察を行った。