尚絅学園研究紀要 A.人文・社会科学編
Online ISSN : 2433-653X
Print ISSN : 1881-6290
局所的充足が保証されていない文脈について
畠山 真一
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2009 年 3 巻 p. 35-46

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抄録
充足理論は,動的意味論に,「前提は先行文脈において成立していなければならない命題である」という制約を組み込んだ形式的枠組みであり,現在最も説明力が高い前提理論の1つである(Heim, 1983; Chierchia & McConnell-Ginet, 2000; Beaver, 2001; Kadmon, 2001)。本論文では,反事実条件文の後件においてトリガーされる前提を扱うことができないケースがあること,そして,この問題点が,充足理論における「前提は局所的文脈において充足されねばならない」という根本的仮定に起因することが主張される。
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© 2009 学校法人尚絅学園 尚絅学園研究紀要編集委員会
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