日本顎口腔機能学会雑誌
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教育講演
アゴの動きを知る(顎運動の測定と解析)
藤村 哲也
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2017 年 24 巻 1 号 p. 9-17

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抄録

 アゴの動きは,咬合と直接関連し,また顎口腔機能とも関連が強く,診査・診断面でも重要である.顎運動測定器は,6自由度で測定可能な装置が市販されるようになり,それを用いた研究成果も多く発表されるようになってきた.しかし,装置によっては,使用方法や測定値などに不明な点がみられ,測定結果の解析が困難なこともある.したがって,これらの装置を利用するにあたっては,基本的な測定原理や測定技術,ならびに解析方法を十分理解しておくことが必要である.
 本稿では,上下顎を剛体と仮定して,二つの直交座標系間の関係から解析点の空間位置を算出する測定原理について解説する.また測定においては,運動機能の評価に用いられる基本的な動きと顎口腔機能に関連した生理的な動きを対象にした装置の違いについて,測定器の技術的な側面から解説する.さらに解析は,下顎の代表的な部位での下顎運動と相補下顎運動の違いや不確かさ(誤差)について解説する.

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© 2017 日本顎口腔機能学会
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