I.目的
嚥下反射誘発時には,脳幹の中枢性嚥下パターン発生器の活性化に伴い多くの筋が動員されて一連の運動が認められる.その中に舌骨上筋群が含まれていることは良く知られているが,顎二腹筋後腹Posterior belly of digastric muscle(Post Dig)の活動に関する記述はほとんどない.Post Dig は顔面神経支配とされ,その運動核はaccessory facial nucleus(Acs7)に位置するという1-3).本研究の目的は,嚥下中のPost Digの筋活動を記録すること,中枢における運動ニューロンの所在と嚥下中の活動様相を探ることである.