日本顎口腔機能学会雑誌
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総説
筋電計の上市から保険収載への道―ウェアラブル筋電計―
山口 泰彦三上 紗季前田 正名斎藤 未來後藤田 章人
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2024 年 30 巻 2 号 p. 89-100

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抄録

筆者らは日常生活下での無拘束ブラキズム検査を目指して,2004年からテレメータ型の電極アンプ一体型の超小型筋電計の開発に着手し,その後,データロガータイプの超小型ウェアラブル筋電計の開発を進め,2018年にウェアラブル筋電計(株式会社ジーシー)が医療機器認証を受け,2020年にはウェアラブル筋電計による睡眠時ブラキシズム検査が「睡眠時歯科筋電図検査」として保険収載されるに至った.ウェアラブル筋電計とその解析システムの研究,開発の社会実装は,ブラキシズムの日常臨床のレベルアップに繋がるだけでなく,ブラキシズムの治療法の研究,開発推進に貢献できるものと考えられる.また,ブラキシズム関連での活用だけでなく,歯科以外の領域も含めた多方面への応用の可能性も有している.本稿では,システムの開発,臨床応用,医療機器認証,保険収載という社会実装へのステップについて解説した.

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© 2024 日本顎口腔機能学会
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