日本顎口腔機能学会雑誌
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学術大会抄録
ラットを用いた食品テクスチャー認知の評価
中富 千尋小野 堅太郎
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2024 年 31 巻 1 号 p. 14-15

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抄録

Ⅰ.目的

 円滑な摂食・嚥下を行うには,食品の形状や物理的性質に合わせた咀嚼や嚥下運動の調節が必須である1,2).食品の物理的性質(食品テクスチャー)は粘性,硬さ,弾力性,粒子性などに分類されている3).これまで,口腔内での食品テクスチャーの受容や認知のメカニズムはほとんど明らかにされていない.これは,食品テクスチャーの認知を客観的に評価する動物実験系が確立されていないことが一因と考えられる.実験動物でのテクスチャー認知研究の難しさとして,食品に物性を付与する添加物の味や匂いを齧歯類が認知しているために,テクスチャーのみを対象とした解析が困難である点が挙げられる4,5).本研究では,食品の粘性と粒子性に着目し,動物実験での口腔内テクスチャー認知評価法の確立を目的とした.

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