日本顎口腔機能学会雑誌
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睡眠時無呼吸といびき音の簡易診断
宮尾 悦子宮島 邦彰茂吉 雅典
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1996 年 3 巻 1 号 p. 53-57

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抄録

激しいいびき常習者は, 閉塞型睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) の前段階と考えられている.OSASやいびきの歯科治療が普及しつつあるが, 今回我々は, 歯科における簡易診断として無呼吸といびき音の同時解析の有用性を検討した。被験者は, 49才の男性である.歯科治療としてsplintを装着し, 装着前後でアプノモニターといびき音を同時記録した.その結果, 無呼吸指数 (AI) は22.8回/hから9.7回/hへ, またDST90 (動脈血酸素飽和度が90%以下になる時間の全睡眠時間に占める割合) が38.8%から14.6%へと改善した.無呼吸といびき音との関係が, 継時的に把握でき, 治療によりいびき音の全般的な消失が確認できた.これらの事により, OSASといびきの簡易診断として, 無呼吸といびき音の同時解析は有用であることが示唆された.

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