日本顎口腔機能学会雑誌
Online ISSN : 1883-986X
Print ISSN : 1340-9085
ISSN-L : 1340-9085
下顎滑走運動面と咀嚼運動終末路の関連性に関する研究
早崎 治明中田 志保山崎 要一西嶋 憲博岡本 篤剛峰松 清仁中田 稔
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 3 巻 2 号 p. 147-152

詳細
抄録
本研究の目的は, 下顎の重要な機能である咀嚼運動の終末路において, 上下の歯牙が接触しながら行われる滑走運動の範囲を計測する方法を開発することにある.25歳の個性正常咬合を有する男性を被験者として東京歯材社製TRIMETを用いて下顎運動を計測した.この装置は100Hzで下顎運動を計測することができる.被験者に30秒間の下顎の任意な滑走運動を4回計測した行わせた.これにより12000顎位を得た.これを使用して, 下顎切歯点の咬頭嵌合位を原点とした前方15mm, 後方13mm, 左右方向各々14mmの範囲における下顎滑走運動面を得た.また, その間隔は0.1mmとした.下顎滑走運動面上のメッシュの各点について, 水平面上で距離が最小距離となる顎位を12000顎位の中から探索し, その最小となった顎位のZ座標値をそのメッシュのZ値とした.この方法により, 下顎の任意の点で作成することが可能である.
その結果, この下顎滑走運動面と咀嚼運動の終末路を比較することにより, 終末路での滑走運動範囲を計測することができ, この被験者のガム自由咀嚼運動の滑走範囲を計測したところ, 閉口時に, 約0.4mm, 開口時は約3.4mmであった.
この下顎滑走運動面は, 下顎運動やその範囲を視覚化できることから下顎運動の理解や診査・診断に有用であると考えられた.
著者関連情報
© 日本顎口腔機能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top