日本顎口腔機能学会雑誌
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ロードセルを用いた咬合力の三次元的測定に関する検討
西山 雄一郎大貫 昌理細井 紀雄東條 敏明
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1998 年 5 巻 1 号 p. 31-39

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抄録

咬合力の三次元的測定を目的として, 三次元咬合力測定装置を開発し, 装置の較正実験ならびに装置の回転, 傾斜による出力値への影響を検討した.その結果,
1.三次元咬合力測定装置は, 1kgfから50kgfまでの実荷重に対し, 各ロードセルに1つの較正係数を設定すると出力誤差は2%以下であり, 高い測定精度が認められた.
2.装置の水平軸方向の回転が, 各ロードセルの出力値に及ぼす影響は最大2%であり, 装置の回転は測定精度に影響しないことが判明した.
3.装置を前後, 左右方向に傾斜させ, 各ロードセルの出力値に対する影響を検討した結果, 実荷重の増加に対する各ロードセルの出力値は1kgfから50kgfの荷重範囲で直線的に変化した.また装置の傾斜が5°の範囲で最大24%の出力誤差を生じることから, 装置の設置に際し, 設定した基準平面に可及的に水平に取り付ける必要性が認められた.
以上の結果から本装置は, 咬合力の三次元的測定を行うのに十分な精度を有していることが示された.

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