日本顎口腔機能学会雑誌
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続・咀嚼時, 主機能部位の観察―食片圧入との関係―
加藤 均長谷川 成男吉田 恵一岡田 大蔵
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1999 年 5 巻 2 号 p. 125-133

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抄録

食片圧入を訴えて受診した3名の患者について, ストッピングの小片を噛みしめさせて, 主機能部位を求めた.その結果, 食片圧入のあった歯間部とは関わりのない上下顎第一大臼歯の各機能咬頭内斜面間での咬頭嵌合位における緊密な咬合の欠如が, 主機能部位を歯間部へと移動させ, 食片圧入を惹起したものと考えられた.そこで, 緊密な咬合が欠如していた機能咬頭内斜面間の咬合を改善し, 主機能部位を歯間部から同部位へ移動させたところ, 食片圧入は改善された.
以上のことから, 食片圧入が従来考えられていた原因に加えて, 歯間部以外の部位での咬合不良によっても惹起されることが明らかとなった.また, 圧入されていた食品の性状から主機能部位は硬い食品破砕時に加えて, 線維性の食品の咀嚼時にも中心的役割をもって機能しているものと考えられた.

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