日本顎口腔機能学会雑誌
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アンテリアルガイダンス変化時における顆頭運動の多点解析
大竹 貫洋真柳 昭紘長谷川 成男鶴田 潤野澤 賢之三浦 宏之
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2001 年 7 巻 1 号 p. 27-36

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抄録
歯のガイドと顆頭運動の関係は, 咬合の再構築や咬合面形態要素が顎機能へ及ぼす影響などの観点から, 重要な問題である.著者らは咬頭嵌合位を変化させない条件下で, 歯のガイドを変化させ, 側方滑走運動時の作業側および平衡側顆頭の運動について解析した.切歯路角が急傾斜になると, 平衡側顆頭 (顆頭中心点) の運動距離は有意に減少したが, 作業側顆頭 (顆頭中心点) の運動距離に大きな変化を認めなかった.作業側顆頭の運動方向は様々な方向へと観察されたが, 平衡側顆頭の運動方向に大きな変化を認めなかった.顆頭中心点周囲6測定点の解析の結果, 作業側顆頭は歯のガイドが変化すると受動的に変化する可能性が, また平衡側顆頭は側方滑走運動の主導的役割を担って運動している可能性が示唆された.
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