一般に,給水タンクなどの貯水槽底部近傍の排水管から排水すると,排水渦が形成され,場合によっては自由表面上の空気が排水管の中に吸い込まれる状態となる.管内に空気が混入すると,圧力損失が増加するばかりではなく,振動・騒音など給排水設備系に悪影響を引き起こす可能性がある.本報告は,このような立場から,水槽内の排水渦特性,および主排水管に他の排水管が加わった場合の水流への影響などを明らかにしたものである.その結果,同一の排水量に対しては,単一管よりも複数管のほうが,全体として水槽内の渦の強さを低減し得ることが明らかになった.