置換換気では、温度成層を利用して汚染物が高濃度に集中する位置から空気を排除することによって高い除去効率を得ている。吹出し風量が多い場合には温度成層は破壊され、室全体に吹出し気流による混合が起こり、除去効率は低下すると思われる。本研究では下向き換気、上向き換気および壁下部吹出し換気に対する人体周辺対流の影響を換気回数0.5ないし10回/hの範囲で系統的に水槽模型実験を行い、温度成層の有効に利用出来る範囲を検討した。下向き換気では換気回数が3回/hを超えると混合状態になった。上向き換気では換気回数5ないし6回/h層が不明瞭になったが、自然対流が吸込み口へ直接熱を輸送する効果は依然存在した。