抄録
前報において、空調熱源システムの送り・返り温度差が変動する実態と、それに起因するシステムCOPの大幅な低下について示した。本報では、主に冷熱源システムの冷水送り・返り温度差減少(流量の設計値を上回る増加)に伴う過剰な冷凍機運転台数の起動を抑制して、システムCOPを回復する「熱媒過流量抑制」という新しい考え方を考案した。本手法は実運転上で大きな省エネルギー効果と経済的効果を期待できるので、ここに報告する。また、都内A地区地域冷暖房施設に、この新しい考え方を用いた「冷凍機熱媒過流量制御システム」の導入を計画したので、併せて報告する。