2012 年 37 巻 180 号 p. 13-21
本研究は中規模オフィスに設置された全熱交換器の効果を実測調査により明らかにするものである.既報(第1報)ならびに(第2報)では,冬期ならびに夏期条件にて全熱交換器を用いた場合の空調消費電力量の削減効果を実測により定量的に明らかにした.本報(第3報)では,実測対象オフィススペースをモデル化し,全熱交換器モデルを介してCFD(計算流体力学)とBES(建物エネルギーシミュレーション)を連成解析することで,室内流れ場,温度場環境に加え,空調熱負荷予測を行うと共に,全熱交換型換気扇の室内側吹出口・吸込口位置を変更した場合の省エネルギー効果を検討した結果について報告する.