2012 年 37 巻 183 号 p. 27-36
需要側の多様な熱要求やエネルギーコスト削減の要求に応じるため,容量やエネルギー源の異なる複数の熱源機器を有する熱源システムは多く存在する.こういった熱源システムの運用最適化を図るため,現在一般的に用いられている熱源の優先順位に着目し,シミュレーションを用いて稼動機器の最適組合せを見出す手法を提案した.更に,この手法を用いて実プラントの熱源システムモデル最適化による効果検証を行った.これにより,現状の運転方法と比べて期間積算のエネルギー消費量,エネルギーコスト,CO_2排出量をそれぞれ17.1%,10.9%,26.0%削減できることを示し,提案する手法の妥当性を示した.