2012 年 37 巻 183 号 p. 37-46
運用の適正化が複雑なものとなる分散型エネルギーシステムにおいては、計画段階における効率的な熱源運用の検討は非常に重要である。そこで本研究では、エネルギーの相互熱融通を行う分散型熱源システムの運用を最適化することを目的とする。プラント間・建物間で熱融通が可能な熱源システムの運用最適化に対応したシミュレーションモデルを構築し、本モデルを用いたケーススタディを行った。プラント設置に制約が存在する状況においても、熱源プラントを分散配置し、エネルギーの相互融通を最大限に有効活用した最適な運用を行うことにより、従来の大規模な地域冷暖房プラントと同等の性能を確保できることを明らかにした。