2018 年 43 巻 250 号 p. 11-19
本報では,ルームエアコンを用いた住宅の居室に対して,低Re数型k-ε乱流モデルを用いて,6畳,12畳,20畳の部屋を対象に,冷房時,暖房時,また,ルームエアコンの風量を小,中,大とした場合,吹き出し方向を水平,斜め45°,真下とした場合の定常時の対流熱伝達率について調べ,データベース化への指針を示した。また,低Re数型を用いて得られた室内全体の平均対流熱伝達率を全ての面に与えて熱負荷計算を行った場合と低Re数型の各面の平均対流熱伝達率を各面に与えた場合に対して,低Re数型を用いたルームエアコンの除去熱量(加熱量)と比較すると,平均絶対値誤差は,それぞれ5%,0.4%となった。さらに,熱負荷計算で総合熱伝達率を用いる際には,エアコンの風量を中,吹き出し方向を斜め45°とした場合,6畳,12畳,20畳の部屋に対して, それぞれ,8W/(m2·K),7W/(m2·K),6~7W/(m2·K)が適切であることがわかった。