空気調和・衛生工学会 論文集
Online ISSN : 2424-0486
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学術論文
空調設備における流体音予測に関する研究
第1報−分岐管・合流管の流体音実験と数値解析
土志田 卓三上 秀人三國 恒文御法川 学
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2018 年 43 巻 252 号 p. 21-29

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抄録

空調設備において,流体音の低減は重要な課題である。流体音は,空調用のファンやポンプの他にも,管路や弁など様々な部材で発生し,管路内部で減衰することがないため,騒音レベルが小さくても遠方まで騒音が伝搬して問題となることが多い。本報では,分岐管や合流管といったダクト要素から生じる流体音の定量的な予測手法を確立することを目指し,CFD(数値流体シミュレーション)による計算手法の精度検証を行った。実験には,ファンを用いずにダクトに差圧を与える装置を無響室内に構築し,分岐部および合流部の剥離流れによる騒音のみを測定した。まず流れ場について,実験で得られた分岐管・合流管における流速分布とRANS およびLES によるCFD 解析結果を比較し,流体音予測のための計算条件を確立した。次にCFD による非定常流れ解析の結果から得た流体音源を用いて音響解析を実施した結果,管路系の特徴である共鳴現象を再現し,騒音レベルおよび周波数特性の定量的な予測が可能であることを明らかにした。

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© 2018, The Society of Heating, Air-Conditioning and Sanitary Engineers of Japan
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