極端気候の顕在化により、数十年あるいは数年に一度とされる降水量の出現頻度も変化しており、給排水機能における雨水利用への要求事項は、多様化している。また、節水器具の普及やライフスタイルの変化により建物での水使用量は減少傾向にあると指摘されて久しく、機器容量や配管サイズの算定根拠となる給水原単位などについても検討が必要とされている。本研究は、給水原単位の現状や雨水利用による上水使用量の削減効果を建築物での水使用量の実態調査を踏まえて評価するものである。本報では、同一の水需要がある建築物における給水原単位の動向と降水特性の違いにより最適な雨水貯留槽容量が異なることを明示した。