2020 年 45 巻 284 号 p. 11-19
本論文では,畳み込みニューラルネットワーク(CNNs)を用いた不具合検知・診断(FDD)手法において,対象熱源システムで高い診断性能を発揮可能とする教師データの作成を目的として,作成手法を検討した。具体的には,CNNs の学習時間の抑制と診断性能の向上の観点から,1)診断対象とする不具合の選別,2)不具合程度の設定,3)複数不具合同時発生時の教師データの作成,4)各不具合における画像データ量(日数)の設定を検討した。本手法を用いることで,対象システムにおいてデータ量を抑えかつCNNs が高い診断性能を発揮する教師データを作成できることが示された。