2020 年 45 巻 284 号 p. 45-53
本研究は新築・既築のオフィスビルを対象に、そのコンバージョンやリニューアルによって、水まわりの変更や増設が生じても対応できる圧送排水ポンプユニットと小口径圧送排水管を用いた「圧送排水システム」と自然流下による「重力式排水横枝管システム」を併用したハイブリット排水システムを提案し、その性能評価と計画・設計手法に資する知見を得ることを目的とする。本報では、前報の基礎実験の結果より得られた知見も生かして、実在のオフィスビルのコンバージョンへ同システムを適用し、約1年間に渡り実使用下での排水負荷と管内圧力を実測し、排水性能への影響を調査した。さらに、短期的な調査であるが、圧送排水ポンプユニットの運転時の騒音を測定し、居住スペースへの影響を検討した。これらの結果より、同システムの実使用下での有効性を提示した。