2020 年 45 巻 285 号 p. 9-16
本稿では将来のリアルタイム電力料金に適応する,強化学習を用いたビルマルチ空調機の制御手法について述べる。強化学習は膨大な試行回数が必要とされるので,短期間で実用性能に到達するための手法が必要である。本稿ではビルマルチ空調機の電力と室温挙動を実機同様に模擬するエミュレータを用いて基準仮想ビルを構築し,基準仮想ビルにて事前学習した後に転移学習させることで学習期間の短縮を試みた。実機試験は再現比較が困難なので,基準仮想ビルの熱容量,冷房能力および熱負荷のスケールを変更した派生仮想ビルを用いて転移学習の効果を示した。