2021 年 46 巻 295 号 p. 43-49
発電所のような大空間を有する施設において発生する熱は通常、換気によって処理されることが多い。機械換気方式を選択する場合は最も過酷な条件を想定して設備容量が決定されるが、省エネルギーの観点からは年間を通じた効率的な運用方法を検討すること、それを見込んだ自動制御等の設計を行うことが必要である。本研究では、機械換気空調方式を有する火力発電所タービン建屋を対象とし、換気空調の省エネルギー化を実現する設計手法、運用手法の知見を得ることを目的とした検討を行った。温熱環境の実測と換気回路網計算を用いた検討により、ルーフファンの運転台数を大幅に削減できる結果が得られ、別途行った実測によりそれを裏付けることができた。