空気調和・衛生工学会 論文集
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46 巻, 295 号
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学術論文
  • 第2報−全国17地点の各年および標準年気象データによる冷暖房負荷の比較検討
    磯崎 恭一郎, 武田 仁, 秋元 孝之
    2021 年46 巻295 号 p. 1-8
    発行日: 2021/10/05
    公開日: 2022/10/05
    ジャーナル フリー

    第1 報で東京の最近60 年間気象データを用いオフィスの冷暖房負荷シミュレーションを行い10 年毎6 期標準年気象データの冷暖房負荷と気象指標との関係を示した。本論では全国17 地点の1991~2019 年の毎時気象データを用い、オフィスと戸建住宅の冷暖房負荷シミュレーションを行った。オフィスの年間冷房負荷は増加傾向、年間暖房負荷はおおむね減少傾向にあり戸建住宅の年間冷房負荷、年間暖房負荷もオフィスと同様の傾向があることがわかった。17 地点の年間冷暖房負荷は年間冷房負荷よりも年間暖房負荷のほうが顕著に区分特性が現れている。

  • 第2報−放射熱量の簡易測定法と現場測定法の検討
    近藤 靖史, 吉野 一, 浅輪 泰久, 植野 甲史郎
    2021 年46 巻295 号 p. 9-15
    発行日: 2021/10/05
    公開日: 2022/10/05
    ジャーナル フリー

    工場や厨房内には多くの熱を発生する機器(以降、高温発熱機器と記す)が存在し、これらは高温となり、対流と放射により放熱する。対流による熱は局所排気装置を設置すれば除去することができるが、放射による熱(以降、放射熱と記す)は局所排気装置では除去することができず、冷房負荷となる。また、放射熱が室内温熱環境に与える影響は大きく、放射熱量を正確に把握することは重要である。これに対し、前報では高温発熱機器からの放射熱量を可能な限り正確に測定するために実験室内に黒色ペイントにより放射率を一定とした内壁を設けるなど種々の配慮を行った上で実験を実施した。本報では実験室内での簡易的な測定方法を検討し、さらに工場や厨房などの現場における測定方法について検討する。

  • 計算体系の構築と実測データによる適用検討
    長谷川 巌, 大塚 雅之, 小瀬 博之, 村上 周三
    2021 年46 巻295 号 p. 17-26
    発行日: 2021/10/05
    公開日: 2022/10/05
    ジャーナル フリー

    近年,地球環境負荷削減と水資源保護の観点から, 水資源の有効利用と省エネルギーの両面からの総合的な環境評価が必要となっている。本研究は,建築物の給排水衛生システムにおける計画・設計・運用における一連のプロセスを考慮し,このうち実務者にとって有用な,水使用量と給水システムで消費されるエネルギー量を同時に算出するシミュレーションツールを開発することを目的とする。本報では,本ツールの計算体系の概要と給水負荷算定法を示すとともに,実測データを用い,給水システムにおける本ツールへの適用を検討した。

技術論文
  • 小林 尚太郎, 河路 友也
    2021 年46 巻295 号 p. 27-33
    発行日: 2021/10/05
    公開日: 2022/10/05
    ジャーナル フリー

    近年,BIM(Building Information Modeling)は,建築分野において急速に利用範囲を広めており,設計・施工の効率化等への期待も高まっている。従来の3D Cad と比べたBIM の特長の一つは,構造計算,空調熱負荷計算などの技術計算をBIM 内の各種データを用いることで,入力作業の省力化が期待できることである。しかし,従来から使用されている各種の専用技術計算ツールも存在するため,BIM の計算結果と相違がある場合は,問題が生じる恐れがある。そのため,BIM が有する計算機能の特徴を理解しておくことが重要である。本研究では空調最大熱負荷計算において,BIM と専用ソフトによる計算結果の差異や特徴を明らかにすることを目的としている。

  • 第1報−換気量削減の施策と省エネルギー効果の検証
    中川 貴文, 増田 大祐, 小林 徳和, 佐伯 寅彦, 坂本 裕, 穴井 俊博, 湯 懐鵬
    2021 年46 巻295 号 p. 35-41
    発行日: 2021/10/05
    公開日: 2022/10/05
    ジャーナル フリー

    喫煙室内の臭気を軽度に保つには換気量を大きくする必要があるが,空調負荷が大きくなる。喫煙室内の空気環境の維持にかかるエネルギーを抑制するため,(1) たばこ用脱臭装置の導入による換気量低減,(2) 外気条件により換気と脱臭装置の比率を切り替える風量比可変制御,(3) 画像解析型人感センサでの在室者人数検知による風量制御,(4) 空気汚れセンサによるフィードバック制御,(5) 室下部から給気し天井面から排気する置換換気を組み合わせた喫煙室システムを開発した。本システムを導入した喫煙室で1 週間の実運用データを基に省エネルギー効果を検証すると,空調と搬送動力に必要な一次エネルギーをいずれも年間約60%削減できる試算結果となった。

  • 第1報−実測データに基づく火力発電所建屋換気設備の効率的な運用手法の検討
    藤井 良平, 天野 雄一朗, 前田 康佑, 田島 昌樹, 堀岡 建吾, 井上 貴之
    2021 年46 巻295 号 p. 43-49
    発行日: 2021/10/05
    公開日: 2022/10/05
    ジャーナル フリー

    発電所のような大空間を有する施設において発生する熱は通常、換気によって処理されることが多い。機械換気方式を選択する場合は最も過酷な条件を想定して設備容量が決定されるが、省エネルギーの観点からは年間を通じた効率的な運用方法を検討すること、それを見込んだ自動制御等の設計を行うことが必要である。本研究では、機械換気空調方式を有する火力発電所タービン建屋を対象とし、換気空調の省エネルギー化を実現する設計手法、運用手法の知見を得ることを目的とした検討を行った。温熱環境の実測と換気回路網計算を用いた検討により、ルーフファンの運転台数を大幅に削減できる結果が得られ、別途行った実測によりそれを裏付けることができた。

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