1980 年 5 巻 14 号 p. 23-32
既存事務所建物のエネルギ消費量は,多量消費の建物が少量消費の建物の3倍から4倍で変動が非常に大きいが,消費量の小さい建物には小さくなる理由が,大きい建物には大きくなる理由があるはずである.これらの理由を知ることは,事務所建物の省エネルギやエネルギ消費量の原単位を考えるうえで重要な事項である.しかし,理由として考えられる要因が多数あり,しかも要因どうしが相関するため,消費量と要因の単相関だけでは十分な把握ができない.本報は多変量解析の一手法である重回帰分析法を用いて,この問題の解析を行ったものである.第1報では,このうち,調査データの概要,分析方法および分析結果について述べる.