1980 年 5 巻 14 号 p. 33-42
第1報で報告した多変量解析結果について分析してみると,一次エネルギ量の変動に対して説明力のある要因は,寄与率の順に,店舗率・営業時間・階数・その他用電気設備容量・管理方式・送風機用電気設備容量・水-空気方式・照明コンセント用電気設備容量である.この中の上位4因子は建物の計画上の与条件的な因子であり,エネルギ消費量の大枠がこのような要因で決まることは,エネルギ消費量の原単位を考えるうえで考慮しなければならない事項である.また階数・送風機用電気設備容量・水-空気方式といった空調用搬送系に関連する因子が説明力を持っていることは,搬送系の計画上の工夫が省エネルギ上,重要であることを示唆していると言えよう.