抄録
建物を想定した均一直方体群を,水平面上に規則正しく配列することによって作られる凹凸面の各壁面が任意の吸収率分布をもつとき,ふく射に対する凹凸面全面の吸収特性を推定する近似的方法の考察を行った.その結果,一次吸収量だけ正確に求めれば,相互反射の結果生じる残りの高次吸収量に対しては,壁面の平均吸収率をもつ均一吸収率からなる凹凸面として推定する方法が,ほぼ妥当な近似値を与えることがわかった.後者の値は,前報までに示した諸線図から容易に推定することができる.この方法は,より複雑な形状の凹凸に対しても,ある程度正確な推定値を与えることが予想される.