人間環境学研究
Online ISSN : 1883-7611
Print ISSN : 1348-5253
ISSN-L : 1348-5253
原著
幼児と成人における顔の内部的情報と外部的情報処理の発達差
正立顔と倒立顔を用いた検討
杉村 智子
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 13 巻 2 号 p. 125-134

詳細
抄録
5、6歳児と成人を対象として2つの顔刺激の同一性判断課題を行い、顔の同一性判断を行う際の、顔の内部的情報(目、鼻、口、頬等を含む顔の内部全体の情報)と外部的情報(内部的情報以外の髪型の情報)の処理の発達的変化を検討した。2種類の不一致刺激(2つの顔が同一人物で髪型が異なる刺激、2つの顔は異なる人物だが髪型が同じ刺激)と2種類の一致刺激(2つの顔が同一人物で髪型も同じ刺激、2つの顔は異なる人物で髪型も異なる刺激)を正立と倒立で提示し、2つの顔が同一人物の顔か異なる人物の顔かの判断を求め、判断時の眼球運動を測定した。5、6歳時は一致刺激よりも不一致刺激においてより大きな倒立効果がみられ、同一人物かそうでないかの判断の際に、不適切な外部的情報を含めた全体処理を行っていることが示唆された。一方、成人は、不一致刺激と一致刺激両方にわずかな倒立効果がみられ、顔の内部的情報に対する部分処理と形態処理の効率性が阻害されていることが示唆された。眼球運動のデータからは、5、6歳児も成人も、正立刺激に対しては顔の内部のみを注視しているが、倒立刺激については、成人は、倒立刺激と比較すると顔の内部への注視時間が増加したのに対して、5、6歳児は顔の外部への注視時間が増加することが明らかになった。
著者関連情報
© 2015 人間環境学研究会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top