人間環境学研究
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論文
子どもの移動能力の発達は、親による子どもの指さしの気付きに影響するか?
岸本 健
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2011 年 9 巻 2 号 p. 77-82

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抄録
言語を操るようになる前である11ヵ月齢頃から、乳幼児は指さしを行うようになる。生後2年目になると、乳幼児の行う指さしの頻度が上昇することが知られている。この理由の1つは、乳幼児の姿勢運動能力が発達することによって、周囲にいる養育者が乳幼児の指さしに気付きやすくなり、乳幼児の指さしに対してより多く応答するようになるためかもしれない。これを検討するために、養育者による乳幼児の指さしの頻度の評定が、乳幼児の姿勢運動発達と関連しているかどうか調べた。158名の養育者が、彼らの子どもによる指さしの頻度と姿勢運動発達に関する質問紙に回答した。分析の結果、乳幼児の月齢が6ヵ月齢から17ヵ月齢の間で、乳幼児の指さしの頻度に対する養育者の評定が上昇することがわかった。この時期には、乳幼児の姿勢運動能力の評定値も上昇していた。さらに、この時期において乳幼児の指さしの頻度に対する養育者の評定値は乳幼児の姿勢運動発達の評定値と正の相関関係にあり、この相関関係は乳幼児の月齢を統制しても変化しなかった。これら結果は、乳幼児の指さしの頻度に対する養育者の評定が、乳幼児の姿勢運動発達と関連していることを示している。この結果は、乳幼児の姿勢運動能力が発達するにしたがって、養育者が乳幼児の指さしに気付くようになり、その結果、乳幼児の指さしに対して頻繁に応答するようになる可能性を示唆している。
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© 2011 人間環境学研究会

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