日本歯科保存学雑誌
Online ISSN : 2188-0808
Print ISSN : 0387-2343
ISSN-L : 0387-2343
原著
過酸化水素が光重合型レジンの色調変化に及ぼす影響
大城 麻紀安藤 進色川 敦士天野 紫乃吉田 武史宮崎 真至岩崎 圭祐青島 裕
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 50 巻 4 号 p. 493-499

詳細
抄録

ホワイトニングを行う際,ホワイトニング剤は目的とする歯質以外にも,修復材,歯周組織にも接触することになる.しかし,修復材への影響についての詳細な情報は少なく,またそれらの結論は異なることが多い.本研究の目的は,30%過酸化水素が3種の光重合型コンポジットレジンに及ぼす影響を検討することである.ウシ歯を色素染色し,そこに窩洞形成し,光重合型レジンを充填し,充填試片とした.また,レジン硬化試片を作製した.それらを30%過酸化水素に浸漬し,高速分光光度計Spectro-Photo Meter CMS-35FS/c(D65光源,村上色彩技術研究所)を用いて経時的に測色した.その結果,変色歯および充填試片はL*値が上昇する傾向が認められた.しかし,この充填された光重合型レジンの色調変化は,背景である歯の色調変化の影響を受けていることが判明した.

著者関連情報
© 2007 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
前の記事 次の記事
feedback
Top