アニリンと銅(II)塩をドープしたゾル-ゲルシリカ中において,銅(II)を触媒とするアニリンの重合反応により,ポリアニリン-シリカ複合ゲルの作製を行った。生成したゲルは濃緑色に着色し,その吸収スペクトルは~422 nmと~750 nmのピークを示した。これらのピークから,ゾル-ゲルシリカ中においてエメラルディン塩型ポリアニリンが生成することがわかった。ポリアニリンの生成量は,塩化銅(II)が最も高く,硫酸銅(II)と硝酸銅(II)はその半分程度であった。また反応には酸素が不可欠で,銅(II)塩が触媒,酸素分子が酸化剤として作用していることも確認できた。