さまざまな産業分野で従来にない機能を有する新製品が望まれている。表面処理は独自性のある製品を作るための重要な技術の一つである。粉体の表面処理の場合,粉体のバルクの性質のみならず,粒子と表面の性質を把握することが重要である。本稿ではまず粉体の粒子の性質と表面の性質を述べ,その後に粉体の表面処理について説明する。さらに,テトラメチルシクロテトラシロキサンを用いた化学気相蒸着によるポリメチルシロキサン(PMS)の粉体上へのナノコーティングと,そのPMSに存在するSi-H基への不飽和化合物の付加反応,いわゆる「機能性ナノコーティング」について解説する。