2015 年 88 巻 3 号 p. 73-77
われわれは液面プラズマ(気中に配置した電極と溶液中に浸漬した電極間に高電圧を印加すると気中電極の先端部と液面との間で生じるプラズマ)により微粒子酸化チタンを水中に良好に分散可能であることを見いだした。プラズマ処理により酸化チタンの表面が改質され,その等電点が変化することにより,分散液のpHが本来の酸化チタンの等電点近傍でも安定した分散状態が維持される。本方法は分散剤などの薬剤を使用せずに分散処理が可能であり,重金属のコンタミネーションなど分散液中への不要成分の混入を避けられる特徴を有する。本稿ではこの液面プラズマを利用した分散処理についてその概要を紹介するとともに,今後の展望について述べる。