色材協会誌
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総説
二酸化チタンの粒子形状と機能性材料としての応用
磯部 薫
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2015 年 88 巻 3 号 p. 67-72

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抄録

二酸化チタンの最大の用途は白色顔料としての用途で,塗料,インキ,プラスチックス,紙,ゴム,化繊,化粧品など,身の回りの幅広い分野で使用されている。顔料の大略の性質はその化学構造と結晶形で大凡決まるが,光学特性や樹脂マトリックス中でのフィラーの挙動や光学特性は同一化学構造でも粒子の大きさや形状,表面性質などによって異なってくる。顔料の機能は単に塗料を着色するばかりでなく,粒子形態や表面性状などの制御技術を駆使することにより,塗料(塗膜)の諸性質や諸物性にも影響を与える。 実際に,無機顔料が着色材以外の用途,とくに機能性材料として使用されている例はいくつかある。このような粒子径・粒子形態制御技術の観点から二酸化チタンに関して,機能性材料としての展開を総説する。

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© 2015 一般社団法人 色材協会
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