2016 年 89 巻 6 号 p. 197-202
人は「色」に意匠や機能などの価値を見いだし,自らが生み出す製品に意匠,機能を付加するために着色をする。この「色」を的確に伝達し,製品製造における色の再現性を確認する方法として色の数値化がある。数値化には物体を適切な測定器で色を測る(測色)必要がある。これは測色の結果が装置の光学条件やサンプルの形状,表面状態(とくに低明度において表面のキズや指紋汚れが顕著に影響する)によって変わるためである。本報では,測色の際に注意する点と測定器の光学条件に適したサンプルを示した。加えて,測色結果を定量的に比較するための色差式についても概略を記した。