2018 年 91 巻 4 号 p. 132-136
金はナノサイズ化することで光学特性や触媒特性が劇的に変化することが広く知られている。これらは金ナノ結晶の形からも大きな影響を受けるため,異方形態制御を通じた金ナノ材料の機能化が有効とされる。本総説では,ナノワイヤーやナノフラワーといった異方形態金ナノ結晶に焦点を当て,その調製手法や光学特性について解説する。さらに,異方形態金ナノフラワーをアルミナやシリカといった無機酸化物と複合化することでもたらされる,光学特性の変化や安定性の向上についても紹介する。最後に,異方形態金ナノフラワー触媒が示す,アルコール酸化反応に対する高触媒活性能などについても解説する。