色材協会誌
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塗液からの溶剤の揮発
熱伝導セルを検出器とする揮発量測定器の試作とそれによる知見
牛尼 清治吉田 豊彦
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1972 年 45 巻 3 号 p. 124-132

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抄録

ガスクロマトグラフの熱伝導度セルを検出器として, 溶剤の揮発量を記録させることによって揮発乾燥の過程を追跡する装置を試作した。これを用いて次のような要因について揮発乾燥に対する影響を検討した。
(1) ポリマーの分子量 : 分子量が大きくなると揮発は抑制され, 揮発の律速段階が境膜蒸気層拡散から液層内部拡散に変わる転移濃度は低くなる。
(2) ガス流速 : 流速が大きい方が, 揮発速度の樹脂濃度に対する依存性が低濃度から認められるようになる。
(3) 試料の量 : 転移濃度にはほとんど影響しない。
(4) 温度 : 温度が上昇すると転移濃度も上昇する。
(5) 顔料 : 顔料の存在は揮発を抑制し, 転移濃度を低下させる。

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