色材協会誌
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リノール酸変性アルキド樹脂合成過程における無水マレイン酸の挙動について
長倉 稔小川 康雄
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1972 年 45 巻 3 号 p. 133-138

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抄録

油長65%, リノール酸変性アルキド樹脂において, 二塩基酸として無水フタル酸, 無水マレイソ酸あるいはそれらを併用した場合, 樹脂合成過程における無水マレイン酸の挙動を調べた。その結果, 無水マレイン酸はフマル酸への異性化ならびにリノール酸への付加反応をかなり起こし, これらが生成樹脂の粘度や分子量を高くする原因であることが認められた。二塩基酸として無水マレイン酸のみを用いたものはリノール酸への付加率が増大し, 生成樹脂は高酸価でゲル化した。
フマル酸はマレイン酸への異性化は起こらないが, リノール酸への付加反応を起こし, 無水マレイン酸の場合と同様に生成樹脂の分子量や粘度は高くなった。コハク酸の場合はこれらの現象が認められなかった。

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