写真用色素が引き起こす減感作用には (I) 電子トラヅプ型減感と (II) 正孔トラップ型減感の二通りがあることを示唆し, 色素の電子構造, 乳剤のpAgの効果およびヨウ素イオソの効果の観点から検討を加えた。色素の電子構造の知見から, 1および皿を引き起こす色素としてフェノサフラニソと9メチルカルボシアニソの減感作用を調べたところ, 色素添加量依存性, 潜像分布依存性, 乳剤のpAg依存性およびヨウ素イオソ添加量依存性について両者の間に特徴的な相違が認められ, 上記の二つの減感の機構を支持する結果を得た。