1972 年 45 巻 3 号 p. 139-144
電子写真センサーのコロナ帯電における暗時, および光照射時の電位減衰の速度式は実験的に井上らの式
V (t) =Voe-a√t
によって与えられ, 1ogV (t) と√tのプロットを作ると直線になる。この直線の傾斜は温度の関数で, 温度の高いものほど傾斜が大きい。このような実験結果は従来の等価回路のモデルからは説明されない。そこでコ戸ナイオソがセンサーに化学吸着した後に拡散輸送されるという考えに基づぎ, 輸送理論の式を使って計算を行なった。その結果, logV (t) と√tのプロヅトが直線的になり, その傾斜が温度に依存するという解が得られ, いくつかの実験事実をこれによって説明することができた。よって電子写真セソサーのコPナ帯電における暗時, および光照射時の電位減衰を律速しているのはコロナイオソのセソサー中での拡散輸送であると考察した。