色材協会誌
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カーボンブラックの低温プラズマ酸化処理における圧力変化
井原 辰彦伊藤 征司郎桑原 利秀木卜 光夫
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1986 年 59 巻 6 号 p. 320-327

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抄録

カーボンブラックの低温酸素プラズマ処理に関する研究の一環として, プラズマ酸化処理中の反応容器内の圧力の経時変化と, カーボンブラックの種類や採取量, あるいは試料のかきまぜ速度やプラズマガスとの間にどのような関係があるかについて調べた。
反応容器内の圧力は, プラズマ発生直後には, 試料表面と酸素との反応によって生じた反応容器内の酸素の欠乏によって低下したが, プラズマ発生後数分頃からは, 試料の燃焼やスパッタリングによる分解ガスの発生に基づく増加がみられ, その後, 平衡状態に達した。プラズマ発生直後の圧力低下の度合や, その後の平衡状態に達するまでの時間および平衡時の圧力は, 試料の種類, 採取量, 高周波出力, かきまぜ速度およびプラズマガスの違いによって異なり, これまでの報告と良好な対応関係を示した。また, プラズマ発生条件と圧力の経時変化との関係を調べることによって, 試料と酸素との反応性や試料のプラズマ中での安定性を評価できることがわかった。

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