二本ロールミルの分級作用と分散性能を調べるため, 分級と分散が同時に進行する場合のシミュレーションモデルを考え, 実測値と比較した。シミュレーションモデルでは, 粉砕速度論の考え方を適用し, 破砕関数と新しいパラメーターである粒子のニップ通過率を導入した。実験には, 顔料としてフライアッシュ, アンバー, 炭酸カルシウムを使い, 分散媒として重合アマニ油を用いた。実験では, 破砕関数とニップ通過率を求めた。また, ロール間間隙, かき取った試料の密度変化, 分散後の粒径分布とつぶゲージ値を測定した。
破砕関数とニップ通過率は, 粒子径とロール間間隙の比によって相関できた。ニップ通過率は粒子濃度によっても変化した。これらを使ってシミュレーション計算した結果は, 実測したロール間間隙の時間的変化, かき取った試料の密度変化, 分散後の粒径分布とつぶゲージ値を良く表していた。また, 分散前と後のつぶゲージ値の比は, 分散前のつぶゲージ値とロール間間隙の比によって, ロール速度, 分散媒粘度, 粒径水準, 粒子濃度によらず1本の曲線で相関できることがわかった。
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