1994 年 67 巻 12 号 p. 760-765
水酸化アルミニウム表面の改質を目的に, 粒子表面へ導入したアゾ基を用いるビニルモノマーのグラフト重合について検討した。その結果, N, N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドを触媒に用いる, 水酸化アルミニウム表面の水酸基と4, 4'アゾビス (4-シアノペンタン酸) のカルボキシル基との直接縮合反応により, 粒子表面ヘアゾ基が導入できることがわかった。アゾ基を導入した水酸化アルミニウムにより, 各種ビニルモノマーのラジカル重合が開始され, 粒子表面へ対応するビニルポリマーがグラフトすることがわかった。また, ペンダントに重合開始基を持つポリマーをグラフトした水酸化アルミニウムを用いる2次グラフト重合についても検討した。さらに, ポリマーをグラフトした水酸化アルミニウム表面は著しい疎水性を示すことも明らかにした。