外眼筋炎に視神経障害を合併した65歳女性の一例を経験した.主訴は右眼瞼腫脹と右視力低下であった.初診時矯正視力右(0.6),中心フリッカー値は右眼で軽度低下していた.MRIで右眼内直筋・上直筋・上斜筋の腫大と,内直筋による視神経の圧排を認めた.STIR画像では外眼筋と視神経周囲の信号強度の上昇を認めた.血液検査や所見から,視神経障害を合併した外眼筋炎と診断した.メチルプレドニゾロン80mgから漸減し,10mgを維持量として4か月間投与した.治療後視神経障害は改善し,MRIでも外眼筋の腫大は改善していた.視神経障害は腫大した外眼筋の機械的圧排と,外眼筋の炎症の波及の両者が原因と考えた.