神経眼科
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症例短報
可逆性白質脳症(PRES)により一過性視野障害を来した一例
細木安希子奥 英弘戸成 匡宏奥野 高司池田 恒彦
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2014 年 31 巻 3 号 p. 336-340

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抄録
可逆性白質脳症(PRES)は,後頭葉白質を中心に一過性の脳浮腫を来す疾患群である.原因としては,高血圧や抗がん剤および免疫抑制剤の使用が多い.症例は55歳男性.上顎癌に対するシスプラチン+5-フルオロウラシルの化学療法中に腎障害と高血圧が出現した.その後突然,両眼の矯正視力が0.02まで低下し,中心視野を含む右同名半盲様所見を認めた.頭部MRIで,両側後頭葉を中心にFLAIR高信号域を認め,PRESが指摘された.PRESに対しての降圧や電解質補正,脳浮腫治療の後,視力と視野,画像所見は著明に改善した.本症例におけるPRES発症の原因として,高血圧,抗がん剤による血管透過性亢進の関与が考えられた.
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© 2014 日本神経眼科学会
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